アルマイト加工へのシルク印刷で注意したいこと

 ワンハンドルのコントローラでは、アルマイト材のパネルを加工後にシルク印刷をしています。アルミ材を使う場合、腐食を防ぐためにアルマイト処理を行うことが多いのですが、アルミの素地を板金加工してからアルマイト処理をする方法と、あらかじめアルマイト処理がされた材を板金加工する場合があります。今回はコストを抑えるためにあらかじめ処理されているアルマイト材を使いました。アルマイト材の欠点として加工した部分(端面や穴をあけたところ)は処理がされていないことになってしまいます。処理されていない部分はあまり目に付かない場所であることが多いので、ここはあえてそういうものだと割り切ってしまいましょう。但し使用する環境(たとえば屋外など)によっては加工後に全面を処理した方が良い場合もあります。

 本題はここからですが、アルミ材にシルク印刷をするときに問題が起きることがあります。素地にあとからアルマイト処理をした場合には、シルク印刷後に高温で乾燥をしても問題無いのですが、あらかじめアルマイト処理がされている材にシルク印刷をし、高温で乾燥させると、アルミの表面に斑に模様が入ってしまいます。この斑模様、光のあたり方や見る方向によっては気がつかないこともあるので、注意が必要です。なぜこうなるのかという理由はわからないのですが、以前この現象が確認されてからは、アルマイト材を使うときは常温乾燥のインクを使うことが絶対条件となりました。(図面にその旨を指示しておきます。)

 

 先日、最近お付き合いのはじまった板金加工業者さんに加工とシルク印刷をお願いしたときに再びこの問題が発生しました。注文書と図面に注意書きを記載してありましたが、納入後に気がつき調査を依頼したところ印刷業者さんでミスをしたとの報告がありました。あれだけ指示したのにやはり起きるんだなぁということで、今回はこの問題を把握している印刷業者さんにシルク印刷をお願いしました。(おまけにこちらの方が安くできました。)常温乾燥の場合は印刷の乗りが少し弱く耐久性で若干劣るとのことですが、さすがに斑模様は許せませんよね。こういうことは意外と知る機会が少なく、起きてから初めて知ったということも多いので、結局は経験で学んでいくしかないのかもしれません。もし、偶然にもこれを読まれた方は経験せずに知ることが出来たわけですからラッキーかもしれません。いや、そんなことはないかな?