残業の理由

残業の理由には、

仕事が終わらない、残業しないと給料が安い、上司(や周囲)が帰らないので帰りづらい・・といったことは良く耳にする理由ですが、「早く帰ると家事・育児を手伝わなければいけないから」という理由(もちろん男性です)を聞いて思わず吹き出しました。

僕が昔勤めていた会社も「超」がつくほどの残業体質の会社で、夜8時での帰宅が続くと、最近ヒマなの?と聞かれる始末。休日出勤も当たり前のようにありましたが、これには訳があって、この会社は技術者の派遣(売り上げは単価×時間)を主な業務にしていたので、売り上げを伸ばす=勤務時間を長くするという要素があるために残業をせざるを得ない(あの時代は納期はあっても効率はさほど追求されなかった)といったことや、得意先の商品に不具合が出た場合にその手直しに借り出されるのですが、それがだいたい土日や祝日。そんなことで、日常的に残業月100時間は当たり前といった具合でした。

まあ、独身が多かったので早く帰っても仕方が無いといったことや、既婚者でも家に居づらいから残業や休日出勤といった人も居たようですが。

ある日、年配の社員から勉強しているかと聞かれ、帰りが遅いのでなかなか・・・と答えたら、寝る時間はあるだろう? と言われました。技術職であれば、仕事以外の時間にも相応の勉強をしていかないと追いつかないというのは、今では身をもってわかっていますが。この先輩氏、その後病気となりそれ以降は何も言われませんでした。

話を現代に戻しますが、日本の企業は総じて効率が悪いそうで、欧米と比べるとより長い時間働かないと同じ結果を得られないとのこと。これではいけないということで残業を禁止する会社もぼつぼつ出てきたようです。早い話、残業時間が長い=効率が悪い=能力が低い の証明だと。 これは、この国が経済大国と言われてきたのは企業や個々の能力が特別高いのでは無く、ただ長い時間働いているだけの結果ともとれます。即ち、同じ労働時間で考えたら経済大国どころか後進国とも言えるということですから、そろそろ考え方を変えないと未来は無いのかもしれません。それでも残業をしないとやっていけないというのであれば、それは扱っている商品や社内の人員配置に問題があり、言い換えればその企業の運営自体が間違っている(あるいは時代遅れ)と思うのは考えすぎでしょうか。