NchのMOSFETを使った過電流保護及び電流モニタ機能付き最大電流10Aのハイサイドスイッチの試作基板です。
ドライバはLT1910を使用。電源への回り込みを防ぐため、MOSFETをback to back接続。
外部のADコンバータで電流値の監視が出来るよう電流センスアンプ LTC6101を搭載し、10A=2.5Vの電圧出力も用意しました。
使用用途は、メカリレーレスの検査装置やエージング装置を想定しています。
メカリレーレスを考えた場合、最近では半導体リレーが比較的安価で選択肢に入るのですが、試験装置など設備に使う場合は製品側の短絡等、過電流という事象があるので保護回路を用意しないと試験設備側を壊してしまい、また最悪の場合には火災に至る可能性があります。
そのため市販される製品ではなく設備として考えたときは、保護回路付きのハイサイドスイッチを使うのが安全です。
特にエージング装置の場合は、数時間から数日というエージング期間中に不良品を検出する必要もあるので、今回試作したハイサイドスイッチを必要数分並べて、ADC付きのマイコンボードで連続監視し、更にこのマイコンボードを通信回線(RS485)でネットワーク接続し、マスターとなるPCから制御・監視することが可能となります。
試作検討の結果は、13.8Vを供給し10A負荷で5分間。MOSFETの表面温度(タブ)は45℃(室温25℃)でしたので、放熱は問題なしと判断。
Cの容量の大きい負荷を想定した検討では2200uFまでOK。4700uFを接続すると突入電流で保護モードに。また、負荷短絡の場合は速やかにゲートをoffし停止します。(停止モード選択の場合。)
on時の突入電流が大きい負荷の場合は、ゲートの時定数と過電流検知の時定数を調整すれば問題無く動作するはず。
fault検出(過電流検出)時の動作を「停止と自動再起動」の選択式としたいので、この後若干のパターン修正を行う予定。
次は「4chハイサイドスイッチ」及び「3chハイサイドと1chローサイド(放電対応)のハイブリッド版」の試作検討です。