今年の養液栽培

ここ数年、バルコニーで養液栽培を実験してきました。

イソライトやココチップを使った貯留式を試してみましたが、感心するほど良い結果は出ませんでした。

少し詳しく述べると、標準プランターの水抜き穴を塞ぎ、下から三分の一ほどの高さに水抜き穴を、下から三分の二の高さに通気穴を加工し、土の代わりの培地を充填。水やりの代わりに養液を使います。はじめは、ハイポニカを使いましたが、途中から大塚ハウスに切り替えました。(理由;大塚ハウスのほうが安価 但し、量が多い)

イソライトが割高(特定の代理店へ送金して送ってもらう)なので、比較の意味もあって翌年はココチップ(ベラボン)を使いましたが、結果はほとんど変わらず。
イソライトは洗って何度も使えます(結構面倒です)が、ココチップ(可燃ごみで処理可能)は基本的には使い捨てました。

まあ、場所によって結果は違うと思われますが、我が家では再現性が低い結果でした。
余談ですが、貯留式は栽培後に直ちに洗浄して水切りしておかないと水が腐って異臭がするのと、湿度が高い状態で日光があたると緑色の藻が発生します。

そこで今春、養液栽培の装置を新調しました。
雑誌「現代農業」に紹介されていた笹生(サソウ)さんの塩ビ管を使ったものです。
記事には具体的な製作法はありませんが、笹生農園さんのブログの写真を見ていくと理解できます。

製作したのは、VU125を使った10株用を2式とVU75を使った10株用を1式です。

塩ビ管はネットで探した業者にあらかじめ切断加工してもらい、組み立て(接続)のみ行いました。

VU75であると組み立ては容易ですが、VU125は大変でした。というのも塩ビ管の接合は溶着であり、接着剤を塗布してお互いの材料をある程度溶かしておき、一気に押し込んで接合します。一度挿しこんだら修正が効きません。
また、挿し込むのにもかなりの力が必要です。荷締め器も試してみましたが、だめでした。ただ、体重をかけることのできるくらいの長さまでは比較的容易です。この装置の最大のネックは、最初の組み立てではないかと思います。遅効性の接着剤を使いましたが、かなり難儀しました。

VU125の1台はトマト専用で、ミニ(千果)と中玉(フルティカ)で10株。
もう1台は、メロン(ころたん)、きゅうり、にがうり、へちまをあわせて10株。
VU75には大葉、バジル、パセリ、万願寺唐辛子など10株。

培地には100円ショップのココピート(水で膨らむ)のみを使用。

VU125の装置は再現性が良く、トマトと抜群の相性で、日々トマトを収穫。
茎の支持は、2mほどの高さに渡したステンレスワイヤから紐をたらし、ここに「ゆーいんキャッチ」でクリップしていき、高さがステンレスワイヤを超えそうになったら、下方へ下げて(地面上にとぐろを巻くようにして)誘引し直し、先端の高さが高すぎないようにしました。(いわゆる吊り下げ法です)

また、メロンときゅうりとも相性が良いのですが、これらは根の量がものすごく多くVU125のパイプを塞いでしまうほどです。したがって、メロン、きゅうりの場合はもう一回りサイズの大きいものにするか、株間の寸法(我が家ではピッチ400ミリで製作)を広くとった方が良いようです。
途中、内部にホースを這わせてみようとバイパス手術を試みたのですが、うまくいかずに根を傷めてしまいました。これは、来シーズンへの課題とします。

VU75の大葉やバジルも相性がいいのですが、こちらも根の量が多くてパイプが詰まってしまいましたので、もう一回り大きいサイズのほうがよろしいようです。

参考までに書いておくと、我が家のシステムでは循環用のポンプはリオプラス600を使用し、ゴミを吸い込まないようにメッシュの細かい洗濯ネット(100円ショップにあるランジェリー用)に入れて沈めてあります。安価で使いやすいポンプだと思いますが、ホースの接続口の突き出し寸法が短く、ホースが外れやすいので注意が必要です。

VU125のチーズ(T型の継ぎ手)には、アップルウェアーの輪鉢F型5号がぴったり納まります。

パイプに直射日光があたると液温が上がってしまうので、パイプには100円ショップで入手した断熱シート(片側がアルミ)を巻いてあります。鉢が納まるチーズの部分は、オルファのコンパスカッターで丸く抜きました。ただし表面のアルミ層の劣化が早く、1シーズンしか持ちそうにありません。

日差しが強く暑い時期は、かなりの養液を必要とします。最低でも1日1回(天気と生育状況によっては2回)は補給してやらないといけませんので、養液を自動で補給できないと夏の間は泊りでの外出はできませんので、念のため。

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