可杯(べくはい)

先週末、ある展示会に出かけたときに可杯(べくはい 可盃とも書く 「さかづき」です)を目にしました。

お酒の本で写真を見たことはありましたが、現物は初めて。昔から宴席で使われたようですが、上の「ひょっとこ」は、鼻に穴が開いています。どういうことかというと、この杯にお酒を注ぐときは鼻の穴を指で塞いでおきます。穴が開いていますから、全て飲み干すまでお膳に戻せません。下の「天狗」も同じで、こちらは穴は開いていませんが鼻が長い(= 底面が無い)ので、飲み干さないとお膳におけません。(酒が入ったまま、膳に置いたらこぼれてしまいます。)

阿亀(おかめ)は、そういう細工はされていないようで、無理に飲み干さなくても大丈夫。阿亀の右の「こま」を使って誰にどの杯を使うかを決めるようです。

昔の人は面白いものを考えたものです。