オーディオ用レベルメータを試作

 しばらくblogを書いていませんでしたね。LM3915というレベルメータ用のICが生産中止になり、これを使ったレベルメータの製作ができなくなったのでマイコンを使って作れませんか?との見積もり依頼があったので、試しに作ってみました。

 多くの車載用のオーディオセットでは出力がBTLという形式で、家庭用と違いマイナス側を共通化できません。そのためにアンプからのオーディオ出力をチャンネル毎に絶縁する必要があります。絶縁にはトランスを使いますが、今まで製作に使っていたサンスイトランスが意外と高価で、標準品ではプリント板用のピン端子の製品がありませんでした。そこでAIに適当なものがないかと相談したところ、Bournsの製品を提案されました。価格は今までのものの半分以下で、かつピン端子なので実装が容易ということでこれに決定。

 絶縁後にオペアンプを使って直流に整流し、A/DコンバータMCP3208でデジタル値に変換、この値を予め決められた値と比較してLEDの点灯データを作ります。LEDは10ポイントの手頃なバー型を見つけたので、これをLEDドライバ(TB62747)で駆動することに。今回は6ch分の表示が希望とのことだったので、16ビット出力のLEDドライバを10ビットだけ使い、これを6個デイジーチェーン接続します。(<–6個のデータラインを直列にし、1回あたり16×6=96個分のデータをシリアル出力します。但し上記で書いたように実際に使うのは10×6=60個なので、各チャンネルの上位6ビットはダミーデータです。)

 マイコン基板とLED基板は別基板なので、念のためマイコンの出力とLEDドライバは直結せずに間にバッファとして74HC125を入れ、念のため保護用にTVSも。データはシリアルで転送するのでデータ、クロック、ラッチ、イネーブルに電源の6本のみの接続です。

 今回、ソフトはAIが雛形を作ってくれたものを元に編集して仕上げました。

 動作確認は、PCのオーディオアンプ出力をスピーカから分岐したものを入力。出力信号に同期してLEDがチカチカと光ります。動作としてはそれだけですが、本来の目的は製品の音が出ているかどうかの目視チェック用に使いたいというような話であったようです。

 無事に動いたので、とりあえずサンプルとしてケースに入れてみようということでアクリルを使ったケースの材料を手配中です。設計通りに上手くできたらご紹介しようと思います。