KiCadのレジストを抜く方法

 KiCad 7.0を使ったリレー出力のリモートI/Oの設計中、ハンダでパターン補強できるようにレジストを抜く方法を調べたのですが、はっきりした答えが見つけられませんでした。参考になる方法はあったので試してみることに。

KiCad設定

 裏面(Bottom)のパターンのレジストを抜きたいのでB.Maskを選択し、上の画像の「線を描画」を選びます。配線であれば右クリックでパターンの太さを決められますが、線の描画だと右クリックでの設定がありませんでした。(どこかにありそうですよね?)とりあえず1本まっすぐな線を引いてから、その線を選択し右クリックでプロパティを選ぶと太さが設定できることがわかりました。いったん設定すれば次からは同じ太さで引けたので、とりあえずは良し。

 この方法で、すでに引いてある銅箔パターンの上に重なるように線を引いていきます。配線パターンが座標の上に乗っていないパターンのときには配線パターンのプロパティを見て座標をメモし、始点と終点を同じ座標に設定してやることで、うまく重ねることが出来ました。 

KiCad Mask

 上の画像で薄くて太いものが配線パターン、重なっている細い濃いものがレジストが乗らないMaskパターンです。これで設計が終わったものをガーバーデータに変換しビューアで見たものが次の画像。

Mcb98 Bottom

 これで見る限りレジストが抜けそうなので試しに注文を入れました。今回設計したのはUSB(仮想COMポート接続)の4chリモートI/Oボードです。5VのPanasonicのLQリレーとすることで電源もUSBから供給できるので、USBケーブル1本で動かせます。多めに電流を流す必要があるときはレジストの無い部分にハンダを盛って補強すれば、パターンでの電圧降下は抑えられるはず。リレー及びコネクタ(JSTのVHコネクタ)の定格仕様では最大で10Aです。

(追記)

B.Maskに「線を描画」で線を引くときの 太さの設定について調べてみました。 ファイル–>基板の設定–>テキストと図形–>デフォルト と開き「新規グラフィック アイテムのデフォルト値」–>「その他のレイヤー」項の「線の太さ」を変更すると変更できたのですが、いったん変更すると次からは反映されません。(バグかな?)PCBエディターを再度起動させると再び変更が反映されました。これなら1本引いてからプロパティで太さの変更をした方が使い勝手が良いかと思います。